和本に興味のある方、初めて和本を手に取った方に楽しむ方法をお伝えします。
触って、匂いを嗅いで、想像して、読む。
気軽に、和本の世界楽しもう。
和本の楽しみ方

和本初心者にお勧めする和本の楽しみ方
- 触る
- 匂う
- 聞く
- 繋がりを楽しむ
触って楽しむ
1 触る
古書屋さんや骨董品屋さんって敷居が高い感じもしますが、興味ある方は気軽に足を踏み込んでみると楽しいもんです。ここ最近は外国の方のお客様も多く、気軽に入って行かれます。
ということは店員さんも常連さんや古書の知識がない初心者の方にも対応が慣れているということです。
まずは気軽に入ってみましょう。
ガラスケースやパッケージされていないもの、特に和本は直接さわることができます。
もし不安な場合は「見てもいいですか?触っていいですか?」と店員さんに聞いてください。
店員さんは、きっと触って感じてほしいと願っています。
和本の金額も様々で、一般的に店内に平置きされているものは¥1,000~¥30,000ぐらいのもので、金額の高額のものはガラスケースの中などに収納されている場合が多いです。
基本的に店内の平済みのものは、触れます。
専門的な知識のある方は、触って中身を読んで、金額がそれ相応か確認します。
初めて古書屋さんに入ったという方は、まず触って和紙の質感を感じてください。
時代によって紙質が違うことを感じてください。
その当時に作られた和紙である実感を感じてください。
それだけでも日本のロマンを感じることができます。
匂って楽しむ
2 匂う
手に取った和本を触り、是非においを嗅いでください。
店員の方がおかしく思うのでは?と気にすることはありません。
店員さん自身がにおいを嗅ぐということを行っているはずですから。
もちろん和本に直接鼻をつけてしまうのはNGです。
商品の保存のためにも、本の虫がいるかもしれないのでご自身のためにもご注意ください。
少し離して、匂いを嗅いでも十分感じ取れるはずです。
香りを感じる。100年以上たっていても、保存状態が良い和本であれば、なんとも懐かしいような優しい香りがします。
和本の種類によっても匂いが違う。遊び本だったりするとお香のような香りがしたり。
ズバリ、その時代にタイムスリップする感じを味わえるわけです。
店員さんに質問してみましょう
3 聞く
疑問点や実際に興味ある和本について、手に取った和本について聞いてみましょう。
中身の古文が読めなくても、知識がなくても気軽に聞いてみましょう。
「これ、何の本ですか?」
「これいつの時代のものですか?」
などのザクっとした質問でも、詳しく説明してくれると思います。
低金額の和本は、表紙や中面の遜色もあり、作家、版下、時代などの、明確な読み取りができないものも多いので情報なしという場合も多いです。
それでも「紙質から〇〇の時代ぐらいだと思います。」ぐらいの情報はもらえます。
今読み取れる情報から、いろいろ想像していくのも楽しいです。
手に取った和本から、つながりを探す。
4つながりを楽しむ
最初に手に取った和本に対して、触って匂いを嗅いで、質問して。
同じ質感の和紙の和本を探してみる。これが同じ時代のものだったら、ここにその時代の物語がうまれます。
職業、時代の流行、身分的なもの、地域的なもの、歴史との照らし合わせ。
ほかに様々な生活習慣、食生活などの、その時代の衣食住など。
現代とのつながりなど。
和本同士のつながりもあれば、現代とその時代とのつながりも見えてきます。
何の気なしに手に取ったものが、実は今でいう旅行パンフレットだったり。
一枚ものの木版画が、現代のチラシ広告だったり。
描かれた絵が、別の和本のお弟子さんの和本だったり。
そうやってつなげていくと、その時代がより見えてきます。
そうして現代があるのは、この歴史なんだなぁと改めて思います。
まとめ

まったく専門知識がなくても、和本って何という方でも、現代まで歴史が引きつがれているのは、この和本の情報も多いと思います。
またこの時代まで生き残っている和本は、その当時の人の想いがふんだんに詰まったもの。
私自身も古書の修復という仕事をしながら、まだまだ勉強中です。
初めて江戸時代の和紙を触ったとき、江戸時代を感じた時、鳥肌がたち感銘をうけました。
是非その感覚を味わっていただきたいです。
コメント