落書きしたり、絵をえがいたり。
日常に使用する紙を知ると、絵を描くのが楽しくなる。
紙の種類や表面の加工の違いは、画材の一つとして画法の一部ともなる。
そんな紙のことをちょっと覗いてみる。
絵を描き始めた方に、知っておきたい紙の事

- 紙の役割
- 紙の起源
- 世界の紙
紙の役割
紙の役割
紙の役割は、文字や絵、記号を記録するためのの書材材料です。
大昔の情報伝達手段は口で伝達(口伝)することでした。
そこから伝達手段として壁画や物に絵を描いていたわけです。
昔からの遊びで「伝達ゲーム」いわゆる口伝え遊びでもわかるように、最初の情報とは、かなり違う情報に変化することが多々ある。
この人間の記憶に頼った情報伝達方法を、なにか身近にあるもので、記憶に手助けしようした。
紙に近い伝達方法として、「結縄」がある。
縄の結び方や大小、位置、などによっていろいろな意味をあらわす、数字や絵文字のような役割をになった。
記号や絵文字から象形文字に進んでいったといわれている。
このように、運びやすくて持ち運びに便利、自由に折り曲げできる材料を、いつの時代も思考錯誤していたということです。
紙の起源
紙の起源
具体的に起源について書くとかなりの情報量になるので、ここでは絵を描く前にちょっと知っておきたいぐらいの感じで、簡単にまとめました。
紙の起源については情報も様々で、その情報も多々あります。
辞典などには、「手すき紙は105年 中国後漢の蔡倫が、その製法を生み出したいわれる」
現代において、なお新しい歴史情報が次々と出てきているので、覆される可能性も多い。
中国で、前漢時代の遺物、古紙「麻紙」が確認された。
1957年には絹質繊維でつくった紙のようなものが見つかった。
研究により「麻紙」で主要原料は大麻で出土した土地にちなんだ「灞橋紙」と名付けられた。
「世界で現存する最も早い植物繊維紙であり、製紙術は中国前漢の働く人達が発明したものである」とある。
紙とは、「いったんバラバラにした植物繊維を水と道具を用いて漉く、再び繊維同士を結び付け乾かした薄いもの」
この紙の発明まで、木の皮、魚網、甲羅などを用いて思考錯誤していたらしい。
1899年に中国で発見されたカメの甲羅や獣の骨に刻まれた甲骨文字。
紀元前3000年頃には、煉瓦のような粘土板に鉄筆で刻まれた、楔系文字を刻んだもの。
青銅器に文字を刻んだもの。
石や壁に絵や文字を刻んだものがある。
欧米では「パピルス草」から作られる書写材料がある。
漉くという操作をせずに、ただ植物性の木髄を集め、水に浸してプレスしたもの。
折ったり曲げたり、綴じたりすることができなかったパピルスに代わって、「パーチメント」が書写材料と使用された。
羊や山羊の皮で作られるもので、子牛の皮で作るものは「べラム」と区別される。
動物を神聖なものとしてあがめる。インド、ビルマなどの国々では、獣皮を書写材料として使用しなかった。
紀元前から、木の葉を使用していたといわれる。
主にヤシ科の「貝多羅葉」で、パルミラヤシ、コリハヤシが多用された。
こうやって起源をたどっていくと、歴史的興味もふかまり、、タイムスリップ感も味わい、創意工夫意欲も高まる。
そうやって長い歴史を経て、絵を描いたり、文字を書いたり、見たり、読んだりできる情報伝達材料の紙に感謝気持ちを持ちたいと思う。
世界の紙

世界の紙
世界の紙、これもさまざまで、詳細にはかなり長くなるので、絵を描き始める前に簡単に情報をお伝えします。
日常絵を描くときに使用している画材の一つ、水彩紙などは洋紙がほとんどです。
水墨画などに使用する書写材料は和紙です。
上記、起源をたどってみても国の文化や環境によって、紙の製造方法や質感はさまざま。
自分の描きたい、表現したい絵や画法の一つの役割として紙を選ぶことは非常に大切です。
世界にはどんな紙があるのでしょうか?
ちょっと覗いてみましょう。
タイ
タイでは、Saa Paper(サーペーパー)と呼ばれる手漉き紙がる
マルベリーと呼ばれる桑科の植物を原料に作られたもの
メキシコ
繊維を編み込み、たたいて作られる紙で「アマテ」と呼ばれる。たたいて作られるパピルスと同様、漉くという作業しないため、紙とはいえないかもしれないが。
インド
古着を漂泊して乾燥させて漉く、Cotton Paper,
木のハンコで模様を作るBlosk Paper
ネパール
ヒマラヤの標高2500メートル以上の高さに自生する植物ロクタ、ジンチョウゲ科にあたる植物で皮をそぎ、蒸し、内側の白い部分で漉く,Lokita Paper。
ベトナム
材料にDoとDoungの二種類の植物が使用され、木の皮をそぎ煮込み、軟らかくして叩くて漉く、Do paper.
あげていくときりがないほど、手法もさまざまで、質感の違う紙が作られている。
旅行先で、ちょっとのぞいてみたり、国々の紙を使ってみて旅行気分を味わうのも楽しい。
オリオン イラストボード 水彩紙 シリウス 厚さ1.5㎜ 10枚入り 両面貼り 画用紙 イラストレーションボード (B3(515㎜×364㎜))まとめ
紙の特性や質感を知ると、絵を描く幅が広がったり、画材との相性で思わぬ発見があったり、画材探しの一つとして楽しみたい。
使用している用紙に、様々な歴史が重ねられたと思うとタイムスリップを感じられるし、感謝の気持ちも強くなる。
現在においてもそういった歴史によって、国々に違う紙が存在し、使用されている。
紙探しをするだけでも、わくわくな旅行気分を感じることができる。
通信が進んでも、CGで描くようになっても、触れる、感じるアイテムの紙は大切に守っていきたいと思います。
具体的な製造方法、質感の説明はまた別記事にて記載いたします。
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